ふるさと納税のポイントは今どうなっている?廃止の経緯とこれから

返礼品の箱と寄付画面を映したスマートフォン

結論から言うと、ふるさと納税ポータルサイトが寄付に対してポイントを付ける仕組みは、2025年10月1日をもって終わりました。ただし「ポイントが1ポイントもつかなくなった」わけではありません。この記事では、何がいつ禁止されたのか、なぜ見直されたのか、そしていま現在も差が出る部分はどこなのかを順に整理します。僕自身、改正の前後で寄付の仕方をどう変えたかも交えて書きます。

目次

いま寄付でポイントはつくのか

2026年8月時点で、ポータルサイトが「寄付額の◯%分のポイントを進呈します」という形で還元することはできません。楽天ふるさと納税もさとふるもふるなびも、この点は同じ土俵に立っています。以前のように「今日は5と0のつく日だからこのサイトで」という選び方は、もう成立しません。

一方で、寄付の支払いに使ったクレジットカードやコード決済に、決済サービス側から通常どおり付くポイントは残っています。ここが混同されやすいところで、禁止されたのは「寄付募集の手段としてポータル側が上乗せする還元」であって、買い物と同じように決済に伴って付く通常ポイントは対象外です。

サイトの上乗せ還元は消え、決済の通常ポイントは残った。これが改正後の全体像です。

何が変わったのか|制度改正の中身

ふるさと納税は、総務省が定める基準を満たした自治体だけが制度の対象として指定される仕組みです。返礼品の調達費が寄付額の3割以内、募集にかかる経費の合計が5割以内といったルールも、この指定基準に書かれています。今回変わったのは、その指定基準に「ポイント等を付与するポータルサイトを通じて寄付を募集してはならない」という条項が加わったことです。

つまり規制の名宛人は、直接にはポータルサイトではなく自治体です。ポイントを付けるサイトを使うと自治体側が指定を受けられなくなるため、結果としてすべてのサイトがポイント付与をやめる、という効き方をしています。ここを理解しておくと、「あるサイトだけこっそり続ける」といった抜け道が構造的に成り立たないことが分かります。

いつから適用されたか

総務省が告示の改正を公表したのは2024年6月で、適用開始は2025年10月1日の寄付分からです。1年3か月ほどの猶予期間があったため、2025年9月末にはポイント付与最終日を目指した駆け込み寄付が集中しました。僕もその月は限度額の残りを使い切る形で寄付を済ませています。正直に言うと、あのタイミングは各サイトが混み合っていて、申し込み完了までにいつもより時間がかかりました。

なぜ見直されたか

総務省が挙げている理由は、大きく二つです。ひとつは、ポイント原資が自治体からポータルサイトに支払われる手数料に由来していた点。手数料が高止まりすると、寄付金のうち地域のために使える割合が減ります。もうひとつは、サイト間のポイント競争が過熱し、寄付先の自治体を応援するという制度本来の趣旨から離れていったという判断です。

この見直しには反対も出ました。楽天グループは2025年7月10日、告示の無効確認を求めて東京地裁に提訴しています。国側は「楽天に訴える資格はない」として却下を求めており、執筆時点では係争が続いています。訴訟の結論がどうなるかは分かりませんが、現に施行されているルールは上記のとおりです。

改正前と改正後の違いを並べた比較表のイメージ

改正の前と後で違うところ

寄付する側の目線で、何が変わって何が変わらなかったのかを並べます。

項目2025年9月30日まで2025年10月1日以降
ポータルサイトのポイント付与あり(サイトごとに還元率が異なる)なし(全サイト共通で不可)
決済手段のポイントありあり(通常付与分は対象外)
返礼品の内容・調達費3割ルール変更なし変更なし
控除の仕組み・限度額の計算変更なし変更なし
ワンストップ特例・確定申告変更なし変更なし

大事なのは、控除の仕組みそのものは一切変わっていないことです。自己負担2,000円で返礼品を受け取れるという制度の骨格は今も同じで、限度額の考え方も手続きの流れも改正前のままです。「ポイントが廃止されたからふるさと納税はもう意味がない」という受け止めは、事実としては行き過ぎです。

寄付額に対して返礼品を受け取る部分の価値は、改正後もそのまま残っています。

失われたのは、サイトを選ぶだけで数%分が上乗せされていた分です。ここは素直に減りました。

還元率での比較が意味を持たなくなった部分

改正前、僕がサイトを選ぶときに真っ先に見ていたのはキャンペーンの倍率でした。同じ寄付額・同じ返礼品なら、還元率が高いサイトを選ぶだけで差が出たからです。この比較軸は、いまは機能しません。どのサイトで寄付しても、サイト由来の上乗せはゼロで横並びだからです。

それに伴って、「ポイント還元率が高いふるさと納税サイトランキング」といった情報も、改正前の内容のまま残っているものは参考になりません。ネット上には2024年以前に書かれた記事がそのまま残っていることも多いので、記事の更新時期を確認してから読むほうが安全です。この点は、僕がこの記事を書こうと思った理由でもあります。

もうひとつ意味が薄れたのが、寄付のタイミングを日付で狙う考え方です。かつては買い回りセールやポイントアップデーに寄付を集中させる動機がありましたが、いまは寄付日をずらしても上乗せは変わりません。年末は自治体の受付やワンストップ特例の書類処理が立て込むため、寄付を12月末ぎりぎりに寄せるメリットはほぼ無くなりました。むしろ余裕のある時期に済ませたほうが得です。

寄付の支払いに使うクレジットカードと決済アプリ

それでも差が出るところ

横並びになったとはいえ、寄付する側の手取りがまったく同じかというと、そうではありません。差が出るのは主に二か所です。

支払い方法によってつくポイント

寄付の決済に使うクレジットカードやコード決済に付く通常ポイントは、規制の対象外です。還元率1%のカードで5万円寄付すれば500ポイント、0.5%のカードなら250ポイントと、素直に決済額に比例します。ここが改正後にいちばん効く差です。

僕の場合、改正後はサイト選びよりも「どのカードで払うか」を先に決めるようになりました。ふるさと納税は1回の金額が大きいぶん、カードの還元率0.5%の違いがそのまま金額差になります。ただし、決済サービス側のキャンペーンで上乗せする形は、ふるさと納税を対象から外している場合があります。適用条件は事前に確認しておきましょう。

支払い方法ごとの違いはふるさと納税の支払い方法まとめで詳しく整理しています。

サイトごとの独自の取り組み

ポイントという形が使えなくなった代わりに、各サイトは別の切り口で競い始めています。掲載自治体数や返礼品の品揃え、検索や絞り込みのしやすさ、ワンストップ特例のオンライン申請への対応、寄付履歴の管理画面の見やすさといった部分です。地味に思えますが、年に5〜10件寄付すると、この使い勝手の差は体感でかなり大きくなります。

また、寄付者向けの企画そのものが無くなったわけではありません。抽選やクーポンなど、告示のルールに触れない範囲での取り組みを打ち出すサイトもあります。ただし内容と実施時期は各社の判断で変わるので、その都度サイト上の告知を見るしかありません。

サイトごとの特徴はふるさと納税サイト比較にまとめています。

これからサイトを選ぶ基準

還元率という物差しが消えた以上、選ぶ基準は組み替える必要があります。僕がいま見ているのは、次の三つです。

ひとつめは、欲しい返礼品を扱っているかどうか。掲載自治体はサイトによって差があり、狙った品が1つのサイトにしかないことは普通にあります。ふたつめは、ワンストップ特例のオンライン申請に対応しているか。マイナンバーカードとスマホで完結できると、紙の申請書を書いて郵送する手間がまるごと消えます。紙のワンストップ申請は寄付先ごとに1通ずつ必要で、5自治体なら5通です。僕は改正後、オンライン申請に対応した寄付先を優先するようになりました。みっつめが、使い慣れた決済手段が使えるかどうかです。

寄付先が5自治体を超えると、ワンストップ特例は使えず確定申告が必要になります。ここは改正後も変わっていません。

なお、旧ルールで付与されたポイントの扱いや失効時期についてはふるさと納税のポイントはいつまで使える?で、楽天ふるさと納税の現在の使い勝手は楽天ふるさと納税の使い方で扱っています。

やらないほうがよいケースもあります

所得税・住民税を納めていない人(収入が少なく課税されていない場合など)は、そもそも控除される税金がありません。この場合は寄付した金額がそのまま自己負担になります。住宅ローン控除や医療費控除を併用していて、すでに税額が大きく減っている場合も、控除しきれない分が出ることがあります。ふるさと納税は「全員が得をする制度」ではありません。

一次情報の確かめかた|総務省の公表資料

ふるさと納税のルールは総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」(総務省サイト内)に集約されています。指定基準の告示や改正の通知、対象自治体の一覧はここで確認できます。ポイント付与に関する条項も、この指定基準の中に置かれています。

制度の解説記事を読むときは、その記事が改正前に書かれたものか後のものかを最初に見てください。判断材料はシンプルで、「2025年10月1日」という日付が本文に出てくるかどうかです。この日付に触れていない解説は、改正を反映していない可能性が高いと考えていいでしょう。控除額の計算そのものは国税庁の「ふるさと納税(寄附金控除)」のページが根拠になります。

寄付額の限度額は、家族構成・収入・他の控除の状況で一人ひとり変わります。この記事の内容は目安であり、具体的な金額は各自治体や各ポータルのシミュレーターで確認してください。判断に迷う場合はお住まいの市区町村の税務担当窓口へ。

まとめ|還元率ではなく使いやすさで選ぶ

2025年10月以降、ポータルサイトによるポイント付与は制度上できなくなりました。理由は、ポイント原資となる手数料を抑えて寄付金を地域に多く残すためで、規制は自治体の指定基準という形で組み込まれています。楽天が起こした訴訟は執筆時点でも続いていますが、いま寄付する分には現行ルールが適用されます。

寄付する側としてやることは、そこまで複雑ではありません。返礼品と使い勝手でサイトを決め、還元率の高い決済手段で払い、ワンストップ特例か確定申告かを寄付先の数で判断する。これだけです。ポイント倍率とカレンダーをにらんでいた頃と比べると、拍子抜けするほど単純になりました。僕はその分、返礼品そのものを選ぶ時間が増えて、去年より満足度は上がっています。

2025年10月より前に寄付した分のポイントは取り消されますか?

取り消されません。禁止されたのは2025年10月1日以降の寄付募集におけるポイント付与で、それ以前に付与済みのポイントには遡って適用されません。ただし各ポイントには元々の有効期限があるため、失効時期は自分のアカウントで確認してください。

クレジットカードのポイントもいずれ禁止されますか?

現行の告示が対象としているのは、寄付募集の手段としてポータルサイト側が付与するポイントです。通常の商取引と同じように決済に伴って付くカード会社のポイントは対象外とされており、執筆時点で禁止の予定は公表されていません。

ポイントがなくなったなら、ふるさと納税はもうやらなくていいですか?

控除の仕組みと返礼品の受け取りは改正前と変わっていないので、自己負担2,000円で返礼品を受け取るという中心部分はそのまま残っています。減ったのはサイト由来の上乗せ分だけです。ただし課税所得がない場合など、そもそも控除が受けられない人には向きません。

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