サイトと返礼品の選び方|はじめてのふるさと納税教室・第4回

お米の袋とメモ帳を並べた返礼品選びのイメージ

第3回で自分の限度額の目安が見えたら、次は「どのサイトで申し込むか」と「何を選ぶか」です。ここでつまずく方はとても多いのですが、順番さえ決めてしまえば迷いません。この記事では、寄付の前に決めておく2つのこと、ポータルサイトを比べるときの見るべき点、そして冷凍庫と届く時期から逆算する返礼品の選び方をお伝えします。買い物としては少し変わった性質があるので、そこだけ押さえていきましょう。

目次

選ぶ前に決める2つのこと|予算の配分と届く時期

返礼品を眺め始める前に、決めておくことが2つあります。年間の予算をどう割るかと、いつ届いてほしいかです。この2つを先に決めておくだけで、選ぶ時間が半分以下になります。

まず予算です。限度額の目安が5万円だとしたら、それを一度に使い切る必要はありません。むしろ最初の年は、限度額の8割程度で止めておくのをおすすめします。年の途中で残業代や賞与が変われば、年収も変わります。上限ぎりぎりまで寄付して超過すると、超えた分は控除されず単なる寄付になってしまうためです。1年目は限度額の8割まで、と決めておけば、年末に慌てて計算し直す必要がありません。

次に届く時期です。ふるさと納税は通販と違い、申し込みから到着まで数週間から数か月かかることがあります。とくに人気の肉や果物は、産地の収穫期や加工の都合で「発送は◯月頃」と決まっているものが少なくありません。ここを見ずに申し込むと、11月に3件申し込んで12月に段ボールが3つ同時に届く、ということが起こります。

予算は「限度額の8割まで」、時期は「同じ月に重ねない」。この2つを先に決めます。

我が家は夫と二人暮らしなので、一度に大量に届いても困ります。そこで、年間の寄付を3〜4件に分け、それぞれ違う季節に届くよう組み合わせるようにしました。件数を絞ると手続きの手間も減ります。ワンストップ特例を使う場合、寄付先の自治体が5つまでという条件がありますから、件数を意識しておくことは後の手続きにも効いてきます。

ポータルサイトはどこで選ぶか

ふるさと納税は、自治体に直接申し込むこともできますが、多くの方はポータルサイト(仲介サイト)を経由します。楽天ふるさと納税、さとふる、ふるさとチョイス、ふるなびなど、いくつもの選択肢があります。

ここで、以前とは事情が変わった点をひとつお伝えしておきます。総務省の告示改正により、2025年10月1日から、仲介サイトが寄付者に独自のポイントを付与することは禁止されました。かつては「サイトごとの還元率」がサイト選びの最大の理由でしたが、その軸は制度として消えています。ただし、クレジットカードなど決済手段そのものに付くポイントは対象外です。カード会社が通常の買い物と同じように付与する分は、これまでどおり貯まります。

「◯◯サイトなら還元率20%」といった古い情報が今も検索で上位に残っています。掲載時期を必ず確認してください。

品揃え・ポイント・手続きのしやすさ

では今、何を基準に選ぶか。私は次の3つの順で見ています。

見るところ確認することなぜ効くか
品揃え欲しい返礼品を扱っているかサイトによって参加自治体が違う。目当ての品が無ければ他の条件は意味がない
アカウントすでに持っている会員IDか住所・氏名の入力が省ける。入力ミスは控除の取りこぼしに直結する
手続きワンストップのオンライン申請に対応しているか紙の書類を郵送する手間が消える。年末の駆け込み時ほど差が出る

3つ目は見落とされがちですが、実務ではいちばん効きます。ワンストップ特例の申請は、マイナンバーカードとスマホがあればオンラインで完結する自治体が増えました。対応状況は自治体側の事情で決まるため、サイトの返礼品ページで「オンライン申請対応」の表示があるかを確認します。対応していれば、書類を印刷して本人確認書類のコピーを添えて封筒で送る、という一連の作業がまるごと不要になります。

なお、サイトは1つに絞る必要はありません。寄付先の自治体数さえ管理できていれば、複数のサイトを使い分けても控除の扱いは変わりません。ただ、はじめての年は1サイトにまとめたほうが履歴を追いやすいです。寄付金受領証明書の管理も、確定申告をするときの集計も、1か所で済みます。各サイトの詳しい違いはふるさと納税サイト比較にまとめていますので、迷ったらそちらをご覧ください。

小分けの冷凍品が並んだ家庭用冷凍庫の引き出し

返礼品は生活で使い切れるものから

返礼品選びの原則はひとつです。ふだん買っているものを、ふるさと納税に置き換える。これに尽きます。

ふるさと納税は「実質2000円で豪華なものが手に入る」と語られがちですが、第2回でお伝えしたとおり、これは寄付したお金が翌年の税金から差し引かれる仕組みです。手元のお金は先に出ていきます。だからこそ、どうせ買う予定だったものに置き換えたときに、家計の効果がいちばん大きくなります。ふだん食べない高級品を選べば、それは支出が増えたのと同じことになります。

主食と日用品から考える

最初の1件に迷ったら、お米をおすすめしています。理由は3つあって、常温で保管できること、必ず消費すること、そして定期便が選べることです。

とくに定期便は、ふるさと納税と相性がよい仕組みです。1回の寄付で、たとえば5kgを毎月・数か月にわたって届けてもらえます。冷凍庫を圧迫せず、届く時期も自動的に分散します。銘柄や量の考え方はお米の返礼品図鑑で詳しく扱っています。

食べ物以外なら、トイレットペーパーやティッシュ、洗剤といった日用品も選択肢になります。かさばるので買い物のたびに重いですし、家に届くのは素直に助かります。ただし置き場所は必要です。トイレットペーパー1年分が一度に届くと、押し入れがひとつ埋まると思っておいてください。

冷凍庫と保管場所を先に見る

肉や魚介、加工品の多くは冷凍で届きます。ここが、はじめての方がいちばん失敗しやすいところです。

申し込む前に、冷凍庫を開けて空きスペースを確かめてください。

一般的な冷蔵庫の冷凍室に、1kgの肉のパックを追加で入れられるかどうか。ふだんから作り置きや冷凍食品で埋まっているご家庭なら、答えは「入らない」ことのほうが多いはずです。届いてから慌てて解凍し、無理に食べ切る——これでは何のための寄付か分かりません。

対策は3つあります。ひとつは、内容量の小さいものを選ぶこと。同じ返礼品でも「1kg×1」と「500g×2」では扱いやすさがまったく違います。小分けパックと明記されたものを選べば、少しずつ使えます。ふたつめは、常温・冷蔵の品を混ぜること。お米、乾麺、缶詰、調味料などは保管の負担が軽い品です。3つめは、あとで触れる発送時期の分散です。

【冷凍庫がいっぱいのときの現実的な順番】

1. 常温で保管できるもの(米・麺・缶詰・日用品)を先に申し込む

2. 冷凍品は、庫内に確実な空きができる時期を指定して1件だけ

3. それでも足りなければ、翌年に回す

届く時期が重ならないように分ける

返礼品のページには、たいてい発送時期が書かれています。「入金確認後1か月以内」「◯年◯月頃から順次」といった表記です。申し込む前に必ずここを読んでください。

やり方は単純で、4件申し込むなら、届く月が4つばらけるように組み合わせます。果物のように旬が決まっているものを先に押さえ、時期を選べるものを空いた月に当てはめていくと収まりがよくなります。発送時期を指定できる返礼品もありますので、その場合は迷わず指定しておきます。

なお、年末の申し込みは到着が翌年になることがほとんどです。これは控除の面では問題ありません。控除の対象になる年を決めるのは寄付をした日であって、返礼品が届いた日ではないからです。12月31日までに決済が完了していれば、その年の寄付として扱われます。ただし決済方法によって「完了」とみなされる日が違うことがあるので、年末は数日の余裕を見ておくと安心して年を越せます。

到着予定の月に印をつけたカレンダー

迷ったときに見る順番

ここまでの内容を、実際に画面の前に座ったときの手順にまとめます。

STEP
手順1 予算を配分する

限度額の8割を年間予算とし、何件に分けるかを決めます。はじめての年は3〜4件、ワンストップ特例を使うなら自治体は5つまでです。

STEP
手順2 サイトを1つ決める

すでに持っているアカウントで使えるサイトを選びます。ワンストップのオンライン申請に対応した自治体を扱っているかも見ておきます。

STEP
手順3 常温のものを1件申し込む

お米や日用品など、置き場所に困らないものから始めます。ここで申し込みの流れを一度体験しておきます。

STEP
手順4 冷凍庫の空きを見て、冷凍品を選ぶ

残りの予算で、庫内に入る量・入る時期の品を選びます。小分けパックを優先します。

STEP
手順5 発送時期を分散させる

すでに申し込んだ品の到着予定月を控え、同じ月に重ならないよう時期を指定します。

この順番なら、返礼品の一覧を延々とスクロールして疲れる、ということが起きません。何を選ぶかで悩む時間より、条件で絞ってから選ぶほうが、結果として満足度が高くなります。具体的にどの品が使いやすいかはおすすめ返礼品で、実際に届いたものを写真とあわせて紹介しています。

選び方でつまずきやすいパターン

長く見ていると、つまずき方には型があります。代表的なものを挙げておきます。

ひとつめは、還元率の情報に振り回されるケースです。「寄付額に対する返礼品の価値の割合」を細かく比較して、結局申し込まないまま年末を迎える方がいます。返礼品の調達費は寄付額の3割以下と制度で定められているため、上限は決まっています。数%の差を追うより、確実に使い切れる品を選ぶほうが家計への効果は大きくなります。

ふたつめは、寄付先の自治体数を数え忘れるケースです。ワンストップ特例は5自治体まで。ここを超えると確定申告が必要になります。同じ自治体に2回寄付した場合は1自治体と数えますが、申請書は寄付の回数ぶん提出します。この数え方の違いが混乱のもとです。

3つめは、寄付者の名義がずれるケースです。控除を受けるのは、その所得に対して税金を納めている本人です。共働きのご家庭で、夫の限度額で計算したのに妻名義のアカウントで申し込んでしまうと、控除は受けられません。名義と支払いカードの名義は、寄付する本人にそろえてください。

申込者名義が寄付者本人と違うと、控除の対象になりません。家族のアカウントを借りて申し込まないでください。

4つめは、そもそも向いていない年に無理をするケースです。第1回でも触れましたが、住宅ローン控除や医療費控除で所得税・住民税がすでに大きく減っている年、産休や休職で収入が少ない年、そして年間の所得税・住民税がごくわずかな年は、控除の枠自体が小さくなります。無理に寄付をしても、自己負担が2000円を超えて、単に出費が増えるだけということが起こります。その年は見送るという判断も、立派な選択です。

まとめ|第5回は実際に寄付する手順へ

選び方の要点は3つです。予算は限度額の8割まで、サイトは持っているアカウントと手続きのしやすさで決める、返礼品はふだん買うものを冷凍庫と時期から逆算して選ぶ。ここまで決まっていれば、あとは申し込むだけです。

完璧な組み合わせを探す必要はありません。お米を1件申し込んで流れをつかむ、それだけでも今年のふるさと納税は十分に成立します。残りは来年の自分に引き継げばよいのです。

限度額の確認がまだの方は第3回・自分の限度額を知るに戻ってください。次回は第5回・実際に寄付する手順として、申し込み画面をひとつずつ追いながら、入力から決済までを実際の画面でご案内します。

サイトは複数使ってもよいのでしょうか。

使えます。控除の扱いは変わりません。ただし寄付先の自治体数の管理と、寄付金受領証明書の保管が分散します。はじめての年は1サイトにまとめると履歴を追いやすくなります。

2025年10月にポイント付与が禁止されて、サイトを選ぶ意味はありますか。

あります。仲介サイト独自のポイントは無くなりましたが、扱う自治体と返礼品の顔ぶれ、ワンストップのオンライン申請への対応、申し込み画面の使いやすさはサイトごとに違います。クレジットカードなど決済側に付くポイントも対象外のままです。

年末に申し込んで、返礼品が翌年に届いても控除は受けられますか。

受けられます。控除の対象年を決めるのは寄付をした日です。12月31日までに決済が完了していれば、その年の寄付として扱われます。決済手段によって完了日の考え方が異なるため、年末は数日の余裕をみて申し込んでください。

なお、制度の細かな取り扱いや、お住まいの自治体・寄付先の自治体ごとの条件は変わることがあります。金額に関わる判断をする前に、総務省のふるさと納税ポータルサイトや各自治体の公式ページで最新の内容をご確認ください。

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